内容
臨床現場で遭遇頻度の高い疾患に関連する外科的治療について、豊富なビジュアルとともに解説した、牛の外科学書の決定版!
外科の基本である術前準備(手術者・術野の消毒)、外科器具、縫合法と結紮法、麻酔(局所麻酔、全身麻酔)を紹介するとともに、第四胃変位整復術、腸管手術、帝王切開術をはじめとした主要な15 の外科手術を紹介。各手技については「理論編」と「実践編」に分け、「理論編」では疾病の病態・診断・一般的な治療法について、「実践編」では手術で必要となる解剖・手技の詳細について、イラストや写真を豊富に用いてわかりやすく解説。新人獣医師から経験豊富な獣医師まで、すべての臨床獣医師の外科手術の技術向上に役立つ一冊。産業動物獣医学雑誌『臨床獣医』の大好評連載「牛の臨床外科学」に加筆修正を施すとともに一部新規項目も加え単行本化。
【本書のポイント】
●外科手術を行うために必要な術前準備、外科器具、縫合法と結紮法、麻酔(局所麻酔、全身麻酔)といった基本的な知識を整理して解説。
●第四胃変位整復術、腸管手術、帝王切開術をはじめとした、獣医師が実施する機会の多い15の外科手術を紹介。
●各術式について、疾病の病態・診断・一般的な治療法などを解説した「理論編」と、手術に必要な解剖の知識や手技の実際を解説した「実践編」に分けて詳しく紹介。
●イラストや写真を豊富に用いて解説しているため理解しやすい。
目次
[総論 手術の基本]1 術前準備(手術者・術野の準備)
牛の臨床現場における“無菌手術”の考え方
消毒
手術者の準備
手術器材の滅菌
術野の準備
2 外科器具
外科用メス・剪刀
外科用メス
剪刀
鉗子
鉗子
持針器(把針器)、鑷子
持針器(把針器)
鑷子
3 縫合法と結紮法
縫合糸と縫合針
縫合糸
縫合針
結紮法
結紮法の種類
結び方の種類
結紮の原則
結紮法の実際
基本的な縫合法
単純結節縫合
連続縫合
マットレス縫合
Near-Far-Far-Near縫合
皮内縫合
スキンステープラーによる皮膚縫合
抜糸の時期と方法
腸管の縫合法
腸管縫合・吻合における創傷治癒経過
腸管吻合の原則
代表的な縫合・吻合法
レンベルト縫合
カッシング(クッシング)縫合
コンネル縫合
ギャンビー縫合
パーカー・カー縫合
巾着縫合
4 局所麻酔
牛の局所麻酔で用いる薬剤
塩酸プロカインと塩酸リドカイン
先取り鎮痛としてのNSAIDs
キシラジン
浸潤麻酔、傍神経ブロック、硬膜外麻酔
膁部切開術のための局所麻酔
膁部の浸潤麻酔
膁部切開術のための傍神経側ブロック
膁部切開術のための胸腰椎間の硬膜外麻酔
5 全静脈麻酔法(TIVA)
麻酔とは
アニマルウェルフェア
麻酔で使用する医薬品
全静脈麻酔法(TIVA)とは
TIVAに使用する医療機器
TIVA の手順
麻酔におけるモニタリング
TIVA におけるエマージェンシー
TIVA に必要な疼痛コントロール
休薬期間
[各論 手技の実際]
1 第一胃切開術
理論編
第一胃切開術の適応症例
周術期の注意点
実践編
解剖学的構造
第一胃切開術の概要
第一胃切開術の実際
2 第四胃変位整復術
理論編
第四胃変位(DA)について
診断
治療
周術期の注意点
実践編
理解しておくべき解剖学的構造
・右膁部切開・大網固定法
・右傍正中切開・第四胃固定術
・左膁部切開・第四胃固定術
・第四胃右方捻転(RVA)
発症機序/症状/臨床病理/診断/治療/周術期の注意点/捻転整復法
3 腸管手術
理論編
腸管における消化管通過障害の臨床徴候
診断と手術適応の判断
外科手術における合併症と術後の管理
理解しておくべき解剖学的構造
実践編
・盲腸の手術
盲腸拡張と転位の手術
・小腸の手術(腸重積・腸捻転・HBS)
術前に考えるべきこと/腸重積の手術(腸管切除と吻合術)/腸捻転の手術/HBSの手術
4 帝王切開術
理論編
子宮の解剖
帝王切開の目的と適応症例
帝王切開の予後に関わる要因
周術期の注意点
実践編
保定体位
麻酔
起立位保定
横臥位保定
(半)仰臥位保定
子宮切開~子牛娩出
子宮縫合
術後管理
5 腟脱整復術
腟脱の概要
外科手術が必要な状況
Buhner法
Caslick法
Halstead(水平マットレス)法
その他の縫合法
6 子宮脱整復術
子宮脱の概要
理解しておくべき解剖学的知識
診断
術式
子宮切除術
7 尿道造瘻術
理論編
尿道造瘻術の適応症例
徴候・病態
診断
治療
予防
手術適用の判断
周術期の注意
実践編
解剖学的構造
尿道造瘻術の概要
周術期の注意点
尿道造瘻術の実際
術後ケア
山羊の尿道造瘻術
山羊の泌尿器官の解剖
外科的治療
8 陰茎血腫
解剖学的構造
診断
治療
術式
合併症と予後
9 去勢手術
必要な解剖学的知識
実施時期について
去勢方法1:物理的処置
去勢方法2:化学的処置
去勢方法3:免疫学的処置
10 潜在精巣摘出術
診断
治療
11 臍ヘルニア整復術
臍部構造
徴候・病態
診断
治療
術式
合併症と予後
12 臍炎・臍帯炎
理論編
臍部の解剖
診断
治療
周術期の注意点
実践編
臍炎
解剖学的構造
術前管理
鎮静・麻酔と保定
開腹と閉腹
臍静脈炎(膿瘍)
臍動脈炎(膿瘍)
尿膜管遺残・尿膜管炎(膿瘍)
術後管理
13 感染性関節炎における関節洗浄・関節切開術・関節固定術
理論編
関節の基本構造
発生機序と進行過程
臨床症状と罹患牛摘発が遅れる理由
診断
実践編
一般的な治療法
外科的治療と治療前準備
関節洗浄
関節切開術
関節固定術
予後
14 肋骨骨折
理論編
外科的治療が必要となる状況とは
診断と治療
実施の判断
一般的な治療法
実践編
必要な解剖学的知識
術式
術後
15 眼球摘出術
理論編
眼球摘出術の適応判断に必要な眼科疾患へのアプローチ
実践編
眼窩付属器の解剖
麻酔と神経ブロック
術前管理と眼球摘出の術式
術後管理
編著:佐藤 礼一郎
B5判 272頁 オールカラー
ISBN978-4-86811-019-4
2025年3月発行
定価:本体15,000円(税別)
B5判 272頁 オールカラー
ISBN978-4-86811-019-4
2025年3月発行
定価:本体15,000円(税別)