内容

歯周病だけではなく、口腔疾患を幅広く取り上げ、
豊富な写真・イラストとともに解説した実践的な一冊！

犬猫の口腔にみられる疾病について迅速に処置を行うためのハンドブック。解剖・生理など基本的な事項、各種検査法、Ｘ線検査の撮影技術および読影について詳述するとともに、約70の疾患を取り上げ、病因・病理発生・臨床症状・鑑別診断・診断検査・治療や処置に分けてコンパクトに解説。掲載しているすべての疾患について、写真を豊富に用いて明瞭に提示しており、実際に来院した動物に見られる所見と似た写真を見つけることが容易にできる。


[本書のポイント]

◆歯肉炎・歯周炎・エプーリスなど、動物病院で診療する機会の多い疾患について、詳しく解説。
◆治療方法の選択や診断に苦慮するような疾患について、飼い主にインフォームドコンセントを行う際に活かせる情報が満載。
◆口腔疾患の評価・診断に欠かせない解剖・生理などの基礎的な知識、口腔内のさまざまな検査、X線の撮影技術および読影についても幅広く掲載。

目次

献辞
推薦の辞
まえがき
監訳者のことば・訳出者名と所属

第１章　解剖学と生理学
・犬の歯科解剖学
・猫の歯科解剖学
・ゲッ歯目とウサギ目の歯科解剖学
・歯科解剖学用語
・歯の発生
・エナメル質，ゾウゲ質，歯髄
・歯周組織
・顔面と顎の骨
・筋肉，頬，唇
・脈管と神経の分布
・頭部の関節
・硬口蓋と軟口蓋
・舌
・唾液腺
・リンパ節と扁桃

第２章　口腔内検査
・ステップ1：病歴の聴取
・ステップ2：一般的な身体検査
・ステップ3：口腔と顔面部の検査
・ステップ4：覚醒（意識）下における口腔内検査
・ステップ5：麻酔下における口腔と歯の検査

第３章　獣医歯科放射線学
・ステップ1：動物の位置決め
・ステップ2：動物の口内にフィルムを置く
・ステップ3：管球ヘッド部の位置決め
・ステップ4：照射の設定
・ステップ5：撮影
・ステップ6：X線写真の現像
・ステップ7：個々の歯についての撮影技術
・ステップ8：歯科X線写真の読影

第４章　若齢期動物の歯の疾患
・乳歯遺残
・乳歯破折
・不正咬合（総論）
・乳歯不正咬合
・クラス1不正咬合
・上顎犬歯の近心転位（ランスエフェクト）
・基部狭小犬歯
・クラス2不正咬合（上顎突出，下顎短小症）
・クラス3不正咬合（下顎突出）
・クラス4不正咬合（偏位咬合）
・口蓋裂
・口唇裂（兎唇）
・緊縮口唇
・部分性無歯症／乏歯症および無歯症（先天性歯欠損）
・埋伏歯または埋没（未萌出）歯
・含歯性f胞（ろ胞性歯f胞）
・歯牙腫
・毛状舌
・エナメル質石灰化不全（低形成症）
・猫の若齢期（思春期）歯肉炎／歯周炎
・口腔乳頭腫症

第５章　歯牙硬組織の疾患
・単純歯冠破折（閉鎖性歯冠破折）
・複雑歯冠破折（開放性歯冠破折）
・齲う蝕（空洞，齲う歯）
・猫の1型歯牙吸収
・猫の2型歯牙吸収
・エナメル質形成不全と石灰化不全
・歯の摩耗
・歯牙咬耗
・外部吸収
・内部吸収
・内因性色素沈着（内部着色）
・外因性色素沈着（外部着色）
・二次性歯周疾患を伴う原発性歯内病変
・二次性歯内疾患を伴う原発性歯周病変
・歯内および歯周複合病変
・特発性歯根吸収

第６章　歯肉の疾患
・歯肉炎
・歯周炎
・全般性歯肉腫大（歯肉過形成）
・外傷
・エプーリス（歯肉の腫脹，増殖，腫瘍）
・猫の歯肉口内炎（口腔内尾部口内炎）

第７章　口腔粘膜の疾患
・口腔鼻腔瘻ろう
・好酸球性肉芽腫症候群
・慢性潰瘍性歯周口内炎
・免疫介在性疾患
・尿毒症性口内炎
・カンジダ症（鵞が口瘡）
・口腔内の焼灼性熱傷

第８章　筋肉，骨，関節の疾患
・咀嚼筋炎
・頭蓋骨下顎骨骨症
・特発性三叉神経炎
・顎関節脱臼
・顎関節形成異常
・骨折
・外傷による歯の剥離と脱臼
・歯根破折
・骨髄炎
・腫瘍とf胞
・上皮小体機能亢進症
・破傷風
・ボツリヌス中毒

第９章　口腔内悪性腫瘍
・はじめに
・悪性黒色腫
・線維肉腫
・扁平上皮癌
・組織学的には低進行性であるものの，生物学的には高い進行性を示す線維肉腫
・骨肉腫

第10章　唾液腺の疾患
・唾液腺f胞
・唾液腺腫瘍
・唾石（唾液結石）

付録
参考文献
索引