伴侶動物の消化器診療

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    内容

    現代の伴侶動物獣医師に求められる
    消化器疾患に対する広範な知識・技術を
    豊富な症例を通じて身に付けることができる実践的な一冊!

    動物の高齢化が進み、加齢とともに消化器系腫瘍などの疾患が増加傾向にあるなか、獣医師には、そのような消化器疾患に対し、高度な技術や知識が求められるようになってきている。本書は、動物臨床医学会で発表された症例報告のなかから消化器疾患のみ100症例を取り上げ、消化器系疾患のほとんどを網羅。最新の診断・治療法など、診療の幅を広げることができる情報を豊富に掲載した伴侶動物獣医師必携の書。

    [本書のポイント]

    ●臨床現場で遭遇頻度の高いものを中心に消化器疾患100症例を収録。
    ●日常診療で目にする機会の少ない症例についても掲載。
    ●新しい治療法や新知見など、治療の選択肢を増やすことができる情報を各章の冒頭の総論パートで紹介。

    目次

    第1章 歯
     1.猫歯肉口内炎に対し臼歯部全抜歯を行った32例の長期経過
     2.犬の歯肉炎および歯周炎に対する炭酸ガスレーザーの臨床応用
     3.犬の前歯部不正咬合に対し矯正治療を行った22例
     4.左上顎埋伏犬歯の外科的歯牙移動を行った犬の1例
     5.炭酸ガスレーザーを用いたウサギの根尖周囲膿瘍を原因とする顔面膿瘍3例の根治術

    第2章 口腔
     1.口蓋キャップを適用した口蓋欠損の犬の1例
     2.片側下顎骨切除術を適応した犬の悪性黒色腫の2例
     3.犬の舌に発生した乏色素性悪性メラノーマの1例
     4.扁平上皮癌により舌の2/3外科的切除を行った犬における採食・飲水行動の変化
     5.ビスフォスフォネート製剤投与によりQOL の改善が得られた口腔内扁平上皮癌の猫の1例
     6.第4 前臼歯後方に発生した軟部組織肉腫に下方眼窩切除を行った犬の1例

    第3章 食道
     1.イブプロフェン過剰摂取により逆流性食道炎から食道狭窄を引き起こした犬の1例
     2.動脈管開存症を伴った右大動脈弓遺残の犬の1例
     3.巨大食道を呈した犬に対しNissen噴門形成術を施した1治験例
     4.重症筋無力症治療に一時的に反応した巨大食道症の犬の1例

    第4章 胃
     1.胃内異物症例において内視鏡下異物除去を実施した70例
      -内視鏡下胃内異物除去の限界についての検討-
     2.胃内異物により胸部および腹部皮下に膿瘍が発生した犬の1例
     3.フェレットの胃内異物の1例
     4.巨大な胃潰瘍病変が認められた犬の1例
     5.猫の胃潰瘍の1例
     6.大量出血を伴う胃潰瘍症例に対してBillroth?型胃部分切除を行った症例の長期観察
     7.幽門切除術を行ったフラットコーテッドレトリバーの2例
     8.犬の胃腺癌の2例
     9.胃腺癌の犬の1例
     10.多発性胃ポリープの中に腺腫・腺癌が形成されたジャックラッセルテリアの1例
     11.犬の胃・十二指腸に発生した平滑筋肉腫の1例
     12.犬の消化管間質細胞腫を摘出した2例
     13.猫の胃に発生した悪性腫瘍の1例

    第5章 小腸
     1.胸水貯留を認めた蛋白漏出性腸症の犬の1例
     2.腹腔鏡を利用して診断した腸リンパ管拡張症の犬の2例
     3.オクトレオチド投与が奏功し、漏出性腹水の消失がみられた犬の1例
     4.腸リンパ管拡張を伴った蛋白漏出性腸症の犬の4例
     5.砂状異物により空回腸後部・盲腸の閉塞がみられた犬の1例
     6.骨盤腔内への小腸変位で整復術に苦慮した犬の1治験例
     7.腸捻転の術後、短腸症候群の治療を行った犬の1例
     8.診断に腹腔鏡が有用であったイレウスの犬の3例
     9.小腸捻転を起こしたウサギの1例
     10.長期観察を行った回腸腺癌の犬の1例
     11.鉄欠乏性貧血を呈した小腸腺癌の犬の1例
     12.再発・転移した消化管間質腫瘍(GIST)に分子標的薬の投与を行った犬の1例
     13.胆嚢・十二指腸吻合術を行いQOLが改善した消化器型リンパ腫の猫の1例
     14.小腸部分切除と化学療法により長期生存が得られた消化管に発生した大顆粒リンパ球性リンパ腫の猫の1例
     15.腸閉塞により2カ月間排便していなかった猫小腸腺癌の1例
     16.腸破裂の認められた(好酸球性)顆粒細胞肉腫の猫の1例

    第6章 大腸
     1.骨盤狭窄による便秘症に対して骨盤拡張術を行った猫の15例
     2.ティビアボルトを用いた骨盤結合拡張術が奏功した狭窄性排便障害の猫の6例
     3.巨大結腸症から重度の直腸脱を発症した高齢猫の経過報告
     4.組織球性結腸炎を生じたフレンチブルドックの1例
     5.穿孔を起こした骨盤腔内化膿性壊死性大腸炎の犬の1例
     6.腹腔内膿瘍を認めたウサギの1例
     7.直腸腺癌の犬に2度の直腸粘膜引き抜き術を行い術後狭窄に対してバルーン拡張術を実施した1例
     8.直腸に平滑筋腫を認めた犬の1例
     9.Mott cell の出現を伴うB細胞性消化器型リンパ腫のミニチュアダックスフンドの1例
     10.結腸にび漫性に浸潤した髄外性形質細胞腫の犬の1例
     11.大腸の炎症性ポリープに対して内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)およびアルゴンプラズマ凝固(APC)を実施したミニチュアダックスフンドの1例
     12.犬の盲腸に発生したGISTの1例
     13.ミニチュアシュナウザーの腸管に発生した肥満細胞腫の2例

    第7章 肛門・肛門周囲
     1.結腸引き抜き術を行った鎖肛の犬の1例
     2.肛門周囲瘻にタクロリムス軟膏を使用した犬の1例
     3.直腸穿孔がみられた犬の会陰ヘルニアの1例
     4.ビスフォスフォネートにより肛門周囲腺癌の転移による骨疼痛が緩和された犬の1例

    第8章 肝・胆道系
     1.経静脈的コイル塞栓術(TCE)による犬の肝内性門脈体循環短絡症(PSS)の治療例
     2.肝内性と肝外性にそれぞれ短絡血管を認めた犬の先天性門脈体循環短絡症(CPSS)の外科的治験例
     3.後天性門脈体循環短絡症犬8 例における三次元CT画像診断成績
     4.犬に認められた慢性活動性肝炎
     5.猫の肝リピドーシスの1例
     6.生前に肝アミロイドーシスと診断された猫の2例
     7.犬の肝膿瘍の2例
     8.猫の巨大肝嚢胞の1例
     9.頻回嘔吐を呈した猫の巨大胆管嚢胞の1例
     10.気腫性胆嚢炎の犬の1例
     11.細菌性胆嚢炎により黄疸を呈した犬に対し腹腔鏡下胆管洗浄と胆嚢摘出を行い良好な経過を得た1例
     12.壊死性胆嚢炎により胆嚢破裂を起こした犬の3例
     13.胆嚢拡張症の犬の1例
     14.胆管肝炎に併発して胆嚢粘液嚢腫が認められた猫の1例
     15.胆嚢粘液嚢腫と総胆管閉塞症を合併した胆石症犬の2例
     16.猫の総胆管閉塞の1治験例
     17.胆管・空腸吻合術を実施した猫の1例
     18.胆管ドレナージを2 回実施した総胆管閉塞症の犬の1例
     19.肝葉切除を行った犬3例の術後経過
     20.肝臓腫瘍を生じた犬に血管内手術を行った1例
     21.多発性肝細胞癌を発生した犬に動注化学療法を行った1例
     22.外科切除と化学療法により長期生存している犬の限局性肝臓原発血管肉腫の1例
     23.胆嚢にカルチノイドが認められた犬の1例
     24.肝外胆管内に発生した腫瘍により重度の胆管拡張を伴う肝外胆管閉塞を起こした猫の外科的治療例
     25.肝浸潤を伴った脾形質細胞腫の猫の1例
     26.ロムスチン投与を行った組織球性肉腫の犬の1例

    第9章 膵臓
     1.急性膵炎と診断した犬36 例に対する内科的治療とその予後
     2.膵膿瘍の猫の1例
     3.アナグマの膵臓にみられたTetragomphius sp.による寄生虫性肉芽腫の1例
     4.部分切除および内科的療法によりQOLが改善できたインスリノーマの犬の1例

    第10章 腹腔・腹膜
     1.大静脈孔ヘルニアの犬の1例
     2.子猫にみられた腹腔内巨大腫瘤の1例
     3.猫の悪性中皮腫の1例
     4.複数の腹腔内腫瘤が形成された髄外性形質細胞腫の犬の1例
     5.腹腔内に肉芽腫を形成したActinomycosisの猫の1例
     6.化膿性肉芽腫の腹腔内臓器の巻き込みを認めたミニチュアダックスフンドの1例
     7.フェレットの腹腔内腫瘍の8例

    第11章 その他
     1.金属性異物を誤嚥したオオサンショウウオの救助
     2.皮下膿瘍を形成したマンソン裂頭条虫プレロセルコイド感染症の猫の1例

    監修:山根 義久
    編集:公益財団法人動物臨床医学研究所
    B5判 376頁 オールカラー
    ISBN978-4-89531-034-5
    2012年12月発行
    定価:本体9,500円(税別)


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