内容
資源の有効活用の観点から注目を集めるシカ、イノシシなどのジビエ。ジビエに造詣が深い各界の専門家が、ジビエに対する正しい知識の普及を目指し、
国内における現状と課題、そして未来について網羅的に解説した今までになかった一冊。
【本書のポイント】
●農学、獣医学、畜産学、動物生態学、動物行動学、環境科学、経営学、観光デザイン学、調理師、狩猟者など各界の専門家18名が執筆。
●ジビエの定義や歴史から、農業被害の実態と鳥獣対策、ジビエの利活用、捕獲方法まで、ジビエに関する基本的な知識を紹介。
●日本における代表的なジビエの動物を取り上げ、その生態、被害と対策、食肉としての特徴などを解説。
●美味しく食べるための知識として、ジビエ肉の特性や安全な処理の方法を紹介。
●仕事でジビエに携わる方、趣味で狩猟をされる方など、ジビエに関わるすべての方が活用できる充実の内容。
目次
第1章 ジビエってなに?1 ジビエとは――ジビエの定義と世界のジビエ
ジビエの定義
世界のジビエの種類
2 日本のジビエ
鳥獣などの喫食文化と野生鳥獣の増加
狩猟文化とマタギおよびジビエの歴史
ジビエの黎明と振興
3 農業被害と野生鳥獣の利用
農業被害の実態と鳥獣対策
野生鳥獣の利用の実態とジビエの将来
4 「狩猟と有害鳥獣捕獲」の違いからジビエ利用がどうあるべきかを考える
野生鳥獣の捕獲に関する法令について
狩猟と有害鳥獣捕獲をなぜ分けるべきか
ジビエのあり方を考える
食肉利用以外の多様な捕獲個体の利用
5 ジビエを狩る
捕獲に必要な資格
捕獲方法
美味しいシーズン
狩猟と有害鳥獣捕獲の違い
美味しいジビエの捕獲とは
6 野生鳥獣肉に関する食肉処理施設の状況と背景
処理施設の規模と内容
処理施設の構造・面積および設備
シカおよびイノシシの販売価格・商品としての形態と販売方法
経営の背景と取り組むべき問題点
第2章 ジビエの動物
1 シカ
日本にいるシカ
生態・特徴
主な被害とその対策
シカの資源としての利用
シカ問題の解決と資源利用
2 シカはなぜ増えたのか
ハンターの減少と高齢化
農村の過疎化と耕作放棄地の増加
木材生産を目指した拡大造林政策
その他の要因
3 イノシシ
生態・特徴
農林被害とその対策について
利活用
4 その他の動物
クマ
カルガモ
カラス
キョン
アナグマ
第3章 ジビエを美味しく食べるための基礎知識
1 ジビエの栄養
ジビエ肉のイメージ
ジビエの肉質
ジビエ肉の特性
ジビエ肉のタンパク質と機能性
脂肪の質
ジビエの美味しさ
ジビエ肉の調理
2 ジビエの安心・安全
家畜衛生・食品衛生としての家畜と野生動物の違い
ジビエ処理のガイドラインの概要
国産ジビエ認証制度の概要
ジビエを原因とした食中毒事例
ジビエの加工処理・調理過程に伴う人獣共通感染症
3 ジビエの流通事例と今後の課題
ジビエの流通は誰が担っているか
ジビエ流通の現状と課題
ジビエ流通の事例──北海道・鳥取県
4 料理人からみたジビエの魅力
日本でのジビエ文化の始まり
ジビエの魅力は肉質の個性
肉質の特徴
日本で楽しめるいろいろなジビエ
ジビエの栄養的特徴
飲食店におけるジビエの安全管理の留意点
5 ジビエの加工――野生動物肉の研究などから
肉としての特徴と利用の可能性について
シカ肉・イノシシ肉の加工に関する研究
最近の研究課題
第4章 野生動物の交通事故
1 自動車事故
野生動物と自動車事故
野生動物の自動車事故の実態は
エゾシカの自動車事故
野生動物の自動車事故への対策・対応
2 鉄道事故
鉄道における野生動物による支障の現状
鉄道沿線におけるシカの行動観察
シカのコミュニケーションを利用した新たな対策の検討
シカが忌避する音の考案
忌避音の効果検証
忌避音を利用した対策の今後
Column
ジビエのペットフード利用
ジビエの装飾、服飾への利用
ジビエ動物と畜産
ジビエ・エコツーリズム~ボスニア・ヘルツェゴビナの先駆的試みと日本の事例~
ジビエに影響する感染症にどう対応すべきか
編著:押田 敏雄
協力:一般社団法人日本ジビエ振興協会
A5判 232頁
ISBN978-4-89531-590-6
2021年5月発行
定価:本体2,500円(税別)
協力:一般社団法人日本ジビエ振興協会
A5判 232頁
ISBN978-4-89531-590-6
2021年5月発行
定価:本体2,500円(税別)
野生動物の適切な利活用を考える