内容
足の蹄がすり減って歩けないサイ、拒食症のウツボ、
イヤリングをした子鹿、
ジンベエザメが空を飛ぶ…。
前例のない動物の治療に取り組んだ獣医師たちの奮闘を描く28の短編集。
さまざまなケースで傷ついた動物に対して、独創的な発想と技術を駆使して治療に挑んだ獣医師たちの貴重な体験談。世界中の動物と獣医師たちのドラマを通じて、人と動物の“ かかわり方”やそこから生まれる“ 絆”が見えてくる! 獣医師の視点で描かれたエピソードなので、日本の動物医療にも参考になる貴重な情報が満載!
[旭山動物園名誉園長 小菅正夫氏 推薦]
現場の獣医師が綴った、不可能への挑戦物語である。獣医師は常に臨機応変の対応に追われるものだが、まさに咄嗟の判断が物言わぬ動物たちの命を救う事となる。誰もが経験できるわけではない、しかも生涯で二度と出会うことのない素晴らしい記録がここにある。
目次
1 野生動物との親密な関係拒食症のウツボや原因不明の骨疾患にかかった子グマ、攻撃的な性格のチンパンジー。言葉を話すことのできない野生動物たちの治療を通して、獣医師と動物の間に生まれた親密な交流を描く。
◆タフガイチンパンジー「ホンド」 <チンパンジー>
◆ウツボとバーテンダー <ウツボ>
◆イヤリングをした子鹿 <シカ>
◆子グマ「カチナ」の骨折 <クマ>
◆シロイルカ「カヤバック」の自立 <シロイルカ>
2 動物を救うテクノロジー
飛行機による巨大ジンベエザメの大輸送計画や、皮膚呼吸するカエルに麻酔をかける画期的な方法など、従来の技術や機械を改良して最新の治療方法を生み出した獣医師たちのエピソードを紹介。
◆靴を履いたサイ <イッカクサイ>
◆中国のパンダたち <ジャイアントパンダ>
◆ジンベエザメが空を飛ぶ <ジンベエザメ>
◆猛禽「パッチ」、大空に帰る <ハヤブサ>
◆矢毒ガエルの麻酔 <ヤドクガエル>
3 体力勝負
脱走したバイソンの群れの捕獲・保護、ゴビ砂漠でのフタコブラクダの調査活動、巨大なワニを検査するために払った大きなリスク。体を張って治療に取り組んだ獣医師たちの貴重な体験談。
◆バイソン奪還 <バイソン>
◆ゴビ砂漠、雪中のラクダ <フタコブラクダ>
◆バイカー、学生、そしてクロコダイル <クロコダイル>
◆罠を引きずるゾウの追跡 <アフリカゾウ>
◆霧の中の仲間たち-危機一髪 <マウンテンゴリラ>
◆ハリケーン“ カトリーナ”とイルカたち <ボトルノーズイルカ>
4 パズルとミステリー
足を引きずったトラ、何故か成長が遅くなるミズダコ。原因不明の難しい症例に直面した獣医師たちは、どのようにしてミステリーを解いていくのか。この章では難しい症例を紐解こうと挑戦する獣医師たちの姿を描く。
◆足を引きずったトラ <ベンガルトラ>
◆タコの体の中にバナナのスライス <ミズダコ>
◆サイの角が運んだジレンマ <シロサイ>
◆フンコロガシに付く虫 <フンコロガシ>
◆あるキツネザルの死-未解決ミステリー <キツネザル>
◆座礁イルカ「ベイカーD」 <ボトルノーズイルカ>
5 クロスオーバー
フェンスに激突したカンガルーや、股関節を脱臼したキリンなど、彼らを治療するためには時には他分野のエキスパートの力を借りることも必要だ。この章では野生動物のために貴重な時間を捧げてくれたエキスパートたちと獣医師の連帯を描いた物語を紹介。
◆がんに罹った金魚「チューリップ」 <オランダシシガシラ>
◆外科医と重症カンガルー <アカカンガルー>
◆シロクマに緊急事態発生! <北極グマ>
◆水に棲むドラゴン <シードラゴン>
◆ギプスを着けたキリン <マサイキリン>
◆カバの歯根治療 <ナイルカバ>
編著:ルーシー・スペルマン、テッド・マシマ
A5判 360頁
全国学校図書館協議会選定図書
ISBN978-4-89531-112-0
2009年11月発行
定価:本体2,400円(税別)
A5判 360頁
全国学校図書館協議会選定図書
ISBN978-4-89531-112-0
2009年11月発行
定価:本体2,400円(税別)
世界各地の動物を救う獣医師の奮闘ドキュメント28話